小田急線:観光と通勤の二律背反
ODAKYU LINE REPORT — 小田急線:二正面作戦の現実
小田急電鉄は、**「観光需要の牽引」**と**「首都圏の通勤輸送」**という二つの重要課題に直面している。2025年11月、沿線観光地は紅葉シーズンで賑わうも、通勤インフラとしての**慢性的な遅延**や、**運賃改定の波**が利用者の不満を招いている。インフラ投資の必要性と利用者の利便性向上、経営のバランスが求められている。
二大ミッション:観光と通勤
観光地への所要時間(新宿から)
約 85分
箱根湯本までロマンスカー利用。江の島・鎌倉方面も短時間アクセスで利便性大。
*2025年春のリニューアルや紅葉シーズンがリベンジ消費を牽引。*
過去の通勤快適性改善 (複々線化)
約 11分 短縮
町田〜新宿間のラッシュ時所要時間短縮に成功。通勤・通学の快適性は向上。
経営戦略の重点
多角的な収益確保
運賃収入の適正化に加え、箱根観光や小田急百貨店などの商業施設による収益拡大を推進。
小田急線が直面する「光と影」の構造
インフラと経営:続く課題と運賃改定の波
運賃改定 (2025年10月1日): インフレ傾向の加速、安全を最優先とする設備投資コストの増大、外部環境(JR東日本の運賃改定予定など)の変化を背景に、一部企画乗車券の運賃改定が実施された。 利用者は、値上げに見合う運行安定化と利便性向上を要求。
通勤インフラの隘路:慢性的な遅延問題とその原因
1. 複々線化の未完了: 代々木上原〜登戸間は完了したものの、登戸以遠の工事再開は不透明。この未完了区間がボトルネックとなり、運行の柔軟性を制限。
2. 快速急行への集中: 速達性を求める利用者が特定列車に集中し、一部区間では依然として高い混雑率が残存。列車遅延の際の波及効果も大きい。
3. 突発的な要因: 人身事故や踏切での支障といった突発的な要因による遅延が多発。
4. 混雑時の安全確認: 混雑時の乗降に時間がかかることが、他の路線よりも運行遅延を発生させやすい路線特性となっている。
