首都の熱狂 新東京ダービーの深層分析

J1第36節 頂上決戦:結果と流れ

▶ 2025年11月9日 国立競技場 | 観衆: 約3万人

FC町田ゼルビア

0-1

FC東京

★ 決勝点: FC東京 MF 安斎颯馬(後半42分/87分)

堅守町田を打ち破った策と課題

FC東京:成熟した組織力

過去の「苦手意識」を払拭。森重真人を核とした4-4-2の組織的な守備で、町田のストロングポイントであるフィジカルとハイプレスに正面から対抗しつつ、攻撃を封じ込めた。苦手意識の払拭が大きな自信につながった。

町田:終盤に露呈した課題

MF前寛之を中心に主導権を握り、決定機を創出するもフィニッシュ精度を欠いた。終盤に集中力の隙を突かれる形となり、攻撃面での連携不足や決定力不足という快進撃の終盤で露呈し始めた課題が敗因となった。

町田の堅守と今回の失点パターンの対比

町田はリーグ最少失点(17失点)を誇り、**クロスからの失点が「1点もない」**という驚異的なデータがあった。しかし、今回は若き才能によるカウンターで鉄壁を破られた。

※円グラフは町田の得点源(セットプレー約30%)と今回の失点要因(カウンター)を対比した仮想データ。

ダービーが示す終盤戦への影響

FC東京:優位と自信

  • 苦手な相手を大舞台で撃破し、終盤戦への自信を獲得。
  • 「良さを消す」成熟した戦い方が機能し、今後の戦術選択に幅。
  • 若き才能(安斎)の台頭で、選手層の厚さを証明。

FC町田ゼルビア:課題と急務

  • 国立競技場での未勝利記録を更新、優勝争いに手痛い勝ち点喪失。
  • 得点の約30%を占めるセットプレー攻撃が完全に封じられた。
  • ロングボール戦術への対策が研究される危険性、戦術の多様化が急務。