地域新聞社（2164.T）株価暴落の深層分析
地域新聞社（2164.T）株価暴落の深層分析
上場維持基準と「ウルフパック戦術」が炙り出す構造的脆弱性 | 2025年12月16日 東京発
現在株価
¥270
▼ 18% DOWN
年初来高値
¥925
▼ 70.8% 下落
時価総額
¥20億
目標: ¥40億
上場維持期限
2026年8月
残り8ヶ月
⚠ 上場廃止リスク警告
東証グロース市場の上場維持基準（時価総額40億円）を大幅に未達。現状20億円水準で、2026年8月末までに達成しなければ上場廃止の可能性。
株価推移分析
株価推移（2025年）
月次出来高推移
業績分析
経常利益推移（四半期比較）
売上高推移
財務状況
自己資本比率
28.1%
低水準で財務体質が脆弱
有利子負債
¥1,013百万
純資産¥653百万を上回る
利益余剰金
▲¥305百万
累積赤字を示す
財務構成（2025年8月期）
経営権を巡る緊張
2025年11月30日
第41期定時株主総会で特定株主グループが社長を含む取締役3名の交代を要求する修正動議を提出
総会結果
会社提案が辛勝。社長の可決率は55.29%と僅差で経営権を巡る緊張状態が継続
市場の反応
「ウルフパック戦術」の疑いがあるものとして注目され、経営不安が株価の不安定な動きに拍車
暴落の主要因
01
**四半期利益の急減：**2026年8月期第1四半期（9-11月期）の経常利益が前年同期比54.1%減の500万円にとどまり、市場の強い失望感を招いた
02
**上場維持基準未達：**時価総額40億円の基準に対し現状20億円水準。2026年8月末の期限まで残り期間が限られる中、抜本的な企業価値向上策が急務
03
**構造的脆弱性：**紙媒体への依存度が高く、デジタル競争の激化や広告市場の低迷という業界全体の逆風にさらされている
04
**財務体質の脆弱性：**自己資本比率28.1%、有利子負債1,013百万円、利益余剰金マイナス305百万円と累積赤字を示す
05
**経営権争い：**特定株主グループによる「ウルフパック戦術」の疑いと経営体制を巡る混乱が、中長期的な戦略実行への市場の信頼を損なう
06
**投機的売買：**高ボラティリティの小型株として市場センチメントに左右されやすく、12月15日の急騰後の翌日の急反落が投機的な売買の優勢を示唆
今後の見通し
2026年8月期計画と課題
成長戦略の鍵
同社は2026年8月期に売上高35億円への拡大を計画。株価の持続的回復には、計画された増収が実際に財務体質の改善と上場維持基準（時価総額40億円）の達成に結びつくかが不可欠。市場は今後の決算発表と上場維持に向けた具体的な進捗に厳しい目を向けている。