免疫生物研究所(4570.T)株価暴落レポート

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免疫生物研究所(4570.T)株価暴落レポート

投機マネーが招いた信用整理の連鎖:急騰から一転、ストップ安連発

日本経済新聞 | 記者:田中 健 | 2025年12月4日

現在値 ¥1,552

高値(12/1) ¥3,820

安値(11月) ¥466

下落率 -59.4%

貸借倍率 32倍

⚠ 信用買残75万株超 / 整理売り連鎖継続中 ⚠

株価推移チャート(2024年11月~2025年12月)

急騰・急落の軌跡

主要イベントタイムライン

| 日付 | イベント | 株価 | | --- | --- | --- |

| 11月初旬 | 安値記録 | ¥466 | | 11/12 | 米国特許査定公表 | 急騰開始 | | 12/1 | 高値到達(8倍) | ¥3,820 | | 12/2~ | ストップ安連発 | 下落継続 | | 12/4 | 一時安値 | ¥1,540 |

特許査定の内容

「抗HIV抗体及びその製造方法」に関する米国特許庁からの特許査定通知。アルツハイマー関連を含む抗体パイプラインへの期待が高まる。

暴落の構造的要因分析

信用買残

75万株超

貸借倍率

32倍

最大上昇率

+719%

高値からの下落

-59.4%

業績推移と企業価値

専門家分析・市場の見方

構造的な高値警戒が現実化

関係筋は、今回の急落は「実体経済の改善以上に、投機的な資金と信用取引のメカニズムによって引き起こされた」と分析。バイオセクター全体への市場心理に冷水を浴びせる形となっている。

投機マネーが生んだモメンタム相場

米国特許査定という材料を契機に、投資資金が怒涛の勢いで流入。しかし、この上昇は早々にファンダメンタルズから大きく乖離し、「究極的なモメンタム相場」の様相を呈していた。短期で株価が数倍になる状況は、業績の裏付け以上に投機的資金が集中していたことを示している。

信用取引の過剰残高が招いた連鎖売り

12月1日時点で信用買残は75万株を超え、貸借倍率は32倍台という極めて異例な高水準に到達。株価が反落し始めると、証拠金維持率を確保できない投資家による強制決済(整理売り)が連鎖的に発生し、「売りが売りを呼ぶ悪循環」を生み出した。

今後の展望とリスク

**短期見通し:**信用買残の整理売りが続く限り、株価の下落トレンドは継続する可能性が高い。市場では「半値の1,000円台まで調整するのではないか」との見方も出ている。

**中長期見通し:**真の企業価値は、アルツハイマー関連を含む研究開発パイプラインの臨床試験の成否にかかっている。投資家は目先の株価変動に惑わされることなく、企業の技術的進捗を冷静に見極める必要がある。

バイオベンチャー投資の教訓

今回の急騰・急落劇は、バイオ株への投資がいかにハイリスク・ハイリターンであるかを再認識させる教訓となった。革新的な成果が得られれば大きなリターンが期待できる一方で、マイルストーン収入の遅延や増資による希釈化リスクなど、特有の不安定要因を常に抱えている。

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