Chordia Therapeutics 株価分析
https://www.today-jp.com/news/chordia-therapeutics-stock-loses-value-amid-warrant-dilution-fears
CHORDIA THERAPEUTICS (190A.T)
創薬ベンチャー株価が安値圏で低迷
ワラント行使と赤字拡大懸念が重荷に
2025年12月12日付 東京 | 東証グロース市場
現在株価
¥106
▼ ¥5 (-4.5%)
年初来高値
¥457
2025年1月10日
下落率
-77%
年初来比較
出来高
1,100万株
12月12日
株価推移 (2025年)
損益推移と予測
研究開発費増加トレンド
構造的な赤字拡大と投資家心理の冷え込み
Chordia Therapeuticsの株価低迷の構造的な主因は、創薬フェーズにあるバイオベンチャーに共通する研究開発費の先行と、それに伴う損失の継続計上にある。
2025年8月期決算
最終損益: 17.85億円の純損失
2026年8月期予想
予想損失: 19.6億円の赤字
主力パイプラインrogocekibの臨床試験進展に伴う研究開発費増加
事業収益の計上なしで3期連続の赤字予想は、短期的な収益改善を期待する投資家にとってネガティブ材料となり、株価を下押しする主要因となった。
希薄化懸念を招くワラント行使の圧力
株価に直接的な需給悪化をもたらしているのが、資金調達を目的とした新株予約権の存在。第9回・第10回新株予約権(行使価額修正条項付)を発行しており、行使が進むことで潜在的に発行済株式数が増加し、一株当たりの価値が希薄化する懸念が高まっている。
MSワラントの構造的圧力
株価が上がれば、行使された新株が市場で売却される構造的な売り圧力が継続的に発生
株式希薄化リスク
新株予約権の行使により発行済株式数が増加し、一株当たりの価値が低下
短期的投機取引
出来高急増時には損切りや売り仕掛けが重なり、株価を安値圏まで押し下げる
投資家センチメント二極化
財務健全性指標
主力パイプラインrogocekibへの期待とリスク
Chordia Therapeuticsの成長の鍵は、CDK12阻害薬であるrogocekibの臨床試験進捗にかかっている。rogocekibは、既存の治療法では効果が薄い難治性のがんに対する新たな治療選択肢として期待されている。
ROGOCEKIB (ロゴセキブ)
CDK12阻害薬 | 低分子抗がん薬
✓ RNA制御ストレスを介した革新的メカニズム
✓ 難治性がん領域への新たな治療選択肢
✓ AMED(日本医療研究開発機構)から助成金受領
✓ 臨床試験進捗が株価反転の鍵
開発が順調に進めば、現在の低迷した株価を一気に押し上げる材料となり得る。一方で、過去にはCTX-712の第1相試験で死亡例が発生した事例もあり、創薬開発には常に高いリスクが伴うことを投資家は認識する必要がある。
市場予想の二極化
強気シナリオ
ロゴセキブが頓挫しなければ200円台回復は視野に入る
弱気シナリオ
70円から100円台までさらなる下落の可能性
投資判断のポイント
Chordia Therapeuticsが市場の信頼と注目を再び集めるためには、rogocekibの臨床データにおけるポジティブな進捗を迅速かつ透明性をもって開示し、将来の収益化に向けた具体的な道筋を示すことが不可欠となる。
✓ 強み
• 自己資本比率90%超の安定した財務基盤
• AMED等からの公的支援による開発資金の裏付け
• RNA制御ストレスを介した革新的な抗がん薬技術
• 難治性がん領域への特化戦略
✗ リスク
• 3期連続の赤字継続見通し
• 新株予約権行使による株式希薄化
• 臨床試験の高い不確実性
• 短期的な収益化の目処立たず
バイオベンチャー投資はハイリスク・ハイリターンであり、投資家は短期的な株価変動に惑わされることなく、パイプラインの成功確率と企業財務を冷静に見極める姿勢が求められる。
