キオクシア急落:AIブームと減益の狭間で

キオクシア株価急落の要因分析:短期の失望とNAND市場の構造変革

1. 決算ハイライト: 市場の期待との大きなギャップ

2026年3月期 第2四半期累計(4~9月)は大幅な減収減益で着地。市場が織り込んだ回復シナリオを裏切る結果となり、PTSでの歴史的な急落を招いた。

売上高(4-9月)

7,911億円 (▲13.0%)

最終利益(4-9月)

589億円 (▲66.5%)

Q2(7-9月)最終利益

407億円 (前年同期比 ▲61.7%)

PTS株価 急落幅

一時20%超 (終値 13,025円 → 安値 10,470円台)

2. 株価急騰の背景: 「AIバブル」への過剰な期待

決算発表直前まで、キオクシア株は「AI特需」の恩恵を先行して織り込み、急騰していた。しかし、決算がその恩恵の顕在化がまだ不十分であることを示し、失望売りにつながった。

  • 先行指標: 米国協業先のサンディスク株高騰が波及
  • 構造変化期待: 生成AI進化に伴うデータセンター向け高密度SSD需要爆発
  • 現実: NAND市場のシクリカルな変動影響が依然として強く、利益は未顕在化

3. 中長期的な追い風: 二重の構造的改善

※キオクシアは第3四半期以降、データセンターやスマートデバイス向け需要の堅調な推移により回復を見込んでいる。

4. 投資家注視点: 構造的成長を見極める転換点

  • AI製品の貢献度: Q3以降のデータセンター向けSSDの出荷量と価格への影響。
  • 市況の回復速度: グローバルなNANDスポット市場価格が予測通りの上昇カーブを描くか。
  • 設備投資の動向: 第10世代NANDなどの量産体制への投資が将来の競争優位性につながるか。

結論: 短期的なノイズ vs 構造変革の担い手

今回の急落は、過熱した市場に冷静なバリュエーションを促す一服感をもたらした。投資家は短期的な調整に惑わされず、半導体変革を担う企業としての中長期的な成長の文脈で冷静に分析を続けることが求められる。

– 短期の「調整局面」は、中期の「買い場」となるのか –