KOKUSAI ELECTRIC株価暴落分析
SOURCE: https://www.today-jp.com/news/kokusai-electric-stock-plummet-semiconductor-demand-delay
KOKUSAI ELECTRIC (6525.T) 株価暴落分析
半導体装置需要の期ずれとマクロ経済の逆風
東京株式市場 2025年12月15日 共同通信
現在株価
¥4,516
-6.27%
終値 ¥4,516
前日比 -302円
年初来高値(11/10) ¥6,135
高値からの下落率 -26.4%
業績予想修正(2026年3月期)
売上高修正 -140億円
修正後売上高 2,300億円
最終利益修正 -81億円
修正後最終利益 279億円
修正発表日 2025年11月11日
市場環境
NASDAQ 急落
SOX指数 -5%超
セクター 半導体全面安
11/17安値 ¥4,105
アナリスト目標株価 ¥3,700-5,800
株価推移シミュレーション
業績修正インパクト分析
暴落要因分析
01. 期ずれ発生
グローバルNAND向け装置と中国DRAM向け装置の納入時期が2027年度へ延期。下期想定売上が来期へずれ込む。
02. 業績下方修正
売上高-140億円、最終利益-81億円の大幅修正。投資家心理が急速に悪化し売り優勢に。
03. 米国ハイテク株安
NASDAQ急落、SOX指数5%超下落。グローバル半導体セクターの連動安が波及。
04. 日銀利上げ観測
日銀短観改善で早期金融政策変更観測。景気敏感株である半導体株に手仕舞い売り。
05. 中国需要不透明
中国景気減速懸念と地政学リスク。DRAM向け装置の設備投資抑制が長期化する可能性。
06. テクニカル悪化
短期移動平均線割れ、出来高増加。投げ売り・パニック売りが加速し損切り連鎖。
株価変動要因ブレイクダウン
CRITICAL ANALYSIS
わずか1ヶ月で年初来高値6,135円から4,516円へ26.4%の急落。11月11日の下方修正発表が転換点となり、半導体サイクル回復遅延の懸念が市場を支配。装置販売の期ずれという一時的要因ながら、マクロ環境の悪化と重なり投資家心理が極度に悪化。機関投資家のポートフォリオ調整と個人投資家の損切りが重なり、パニック売りの様相を呈している。
KEY POINTS
- 2026年3月期通期業績予想を下方修正:売上高-140億円、最終利益-81億円
- 主因は装置販売の「期ずれ」:グローバルNAND向けと中国DRAM向け装置が来期へ延期
- 過去9四半期で純利益率・ROE改善を実現してきたが、需要遅延で成長ストーリーに疑問符
- 米国ハイテク株安(NASDAQ・SOX指数急落)が半導体セクター全体に波及
- 日銀短観改善による利上げ観測で景気敏感株に売り圧力
- 11月17日には一時4,105円まで下落、ボラティリティ極めて高い
- テクニカル面:短期移動平均線割れ、出来高増加で投げ売り加速
- 信用取引の個人投資家を中心に含み損拡大、損切り余儀なく
- 中国需要の不透明感:景気減速と地政学リスクで設備投資抑制
- 中長期的にはAI関連・先端プロセス投資再開で回復期待もあり
- アナリスト目標株価は3,700円~5,800円と評価分かれる
- 短期底打ちには顧客設備投資計画の明確化と受注残の売上計上見通しが不可欠
- 次期決算発表における受注状況と経営陣コメントへの注目度高まる
- 半導体サイクルの谷が想定より深くなる可能性を市場が警戒
投資家への示唆
KOKUSAI ELECTRICは技術力の高い成膜装置分野のリーダーとして中長期的な成長ポテンシャルを有するが、短期的には極めて不安定な局面にある。期ずれによる業績修正は一時的要因とはいえ、マクロ環境の逆風と重なり株価は過剰反応の様相。現時点での投資判断には、(1)次期決算での受注状況、(2)中国DRAM市場の回復タイミング、(3)グローバル半導体サイクルの底打ち確認、(4)経営陣の具体的対応策、の4点を慎重に見極める必要がある。ボラティリティの高さを考慮すれば、分散投資とポジションサイズの管理が重要となる。
