商船三井 業績下方修正分析
商船三井【9104】業績下方修正分析
発表日: 2025年11月4日 12:00 市場: 東証プライム セクター: 海運業
株価急落
-5.21%
4,344円 | 前週末比 -239円 | 出来高2倍超で下方修正を嫌気
純利益 (2026年3月期)
1,800億円
▼200億円 (前回予想2,000億円)
前期比 -58%
経常利益 (2026年3月期)
1,520億円
▼180億円 (前回予想1,700億円)
減益率 -63.8%
配当予想
250円
▲25円増額
株主還元強化
設備投資
500億円超
上振れ見込み
長期成長投資継続
業績推移分析
純利益・経常利益の推移 (億円)
2025-2026年業績推移詳細 (連結ベース、億円)
| 項目 | 2025年3月期
(実績) | 2026年3月期
(従来予想) | 2026年3月期
(修正後) | 変動率 |
| --- | --- | --- |
| 売上高 | 18,000 | 17,000 | 15,000 | -10% | | 営業利益 | 4,200 | 3,000 | 2,500 | -40% | | 経常利益 | 4,100 | 1,700 | 1,520 | -63% | | 純利益 | 4,197 | 2,000 | 1,800 | -58% | | 配当 (1株) | 200円 | 225円 | 250円 | +25% |
株価・イベントタイムライン
2024年5月
2025年3月期上方修正
純利益4,500億円 (前期比+20%)、コンテナ運賃高騰
株価 +3.2% (高値更新 6,500円台)
2025年2月
2025年3月期決算発表
純利益4,197億円 (過去最高)、配当増額
株価 +1.5% (安定上昇)
2025年8月1日
2026年3月期上方修正
純利益2,000億円 (従来1,700億円から上方)、運賃堅調想定
株価 +2.1% (期待感で上昇)
2025年11月4日
2026年3月期下方修正
純利益1,800億円 (-58%)、経常1,520億円 (-63.8%)、コンテナ運賃下落・紅海影響
株価 -5.21% (4,344円、出来高2倍超)
2025年11月4日後場
市場反応
売買高急増、サポートライン (4,300円) を試す展開
継続下落、目標株価下方修正の声
下方修正の主要因
業績変動要因の影響度分析
キーポイント
- コンテナ船事業の運賃下落: 2025年上期の運賃高騰が下期に反転、需要減と供給過多で単価が20%下落見込み
- 紅海迂回の影響: 紅海情勢による迂回航路の影響で燃料費が10%超増大、コスト圧迫が深刻化
- 為替想定の円高圧力: 為替想定 (1ドル=145.41円) での円高圧力が収益を圧迫
- 8月からの再修正: わずか3ヶ月での再修正により、市場の信頼を大きく失墜
- 海運業界全体の低迷: 競合の日本郵船も同時期に下方修正、業界全体の市況悪化を反映
- 配当増額の評価: 1株当たり25円増額で株主還元を強化するも、純利益減が重荷
- バルク船事業の安定性: バルク船事業が安定しているため、コンテナ事業の落ち込みを一部カバー
- 割安感と投資判断: PER8.2倍、PBR0.9倍と割安だが、2026年の運賃反発が回復の鍵
市場・アナリスト反応
野村證券
「下方修正は市況悪化の深刻さを示す。目標株価を5,000円から4,600円に下方修正、中立維持」
日本経済新聞
「海運株全体の下押し圧力。商船三井の修正は業界の典型例であり、セクター全体に波及する可能性」
投資家心理
失望感が強く、SNSでは「配当増でも利益減が痛い」との声。一方、長期投資家は「割安感強まり、買い場」との意見も
取引状況
出来高1,200万株超 (前日比150%増)、東証プライム市場でトップクラスの売買代金を記録
株価変動シミュレーション (2024年5月~2025年11月)
データソース: 日本経済新聞、株探、東洋経済、Yahoo Finance、会社発表資料
分析日時: 2025年11月4日時点
免責事項: 本資料は情報提供を目的としており、投資勧誘を意図するものではありません
